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正しい知識と対処が肝心!意外と身近な外陰膣カンジダ症

09.02.2024 | コラム

PH-Hibari-GYN

カンジダ症、なかでも外陰腟カンジダ症は、腟炎の原因としては細菌性腟炎についで2番目に多い原因です。また、繰り返し発症してしまう方も珍しくありません。

今回は、そんな意外と身近な「外陰腟カンジダ症」の原因や症状、対処法についてご紹介します。

 

カンジダ菌が引き起こす外陰膣カンジダ症

外陰腟カンジダ症の原因であるカンジダは、真菌(カビ)に分類されます。淋菌やクラミジアのような細菌とは全く別の菌です。 実はカンジダという名字の真菌は300種類以上あり、味噌や醤油の発酵に使われるカンジダ菌もあります。
そんな多岐にわたるカンジダ菌ですが、ヒトに対して病原性を発揮するものはごく少数です。

ヒトが生活しているところには必ず真菌が存在しているので、ヒトは真菌に対して強力な防御機構を備えています。たとえば、皮膚や粘膜の角質での防御と免疫による防御機構があげられます。
したがって、この防御機構が備わっている方は、カンジダを保菌していても症状が現れません

例えば日本性感染症学会の発表によれば、膣内カンジダ菌保有率(検査時の陽性率)は非妊婦で約15%、妊婦で約30%と言われています。しかし、治療が必要だと判断されるのは、非妊婦の陽性者のなかでも約35%、妊婦の場合では陽性者の約15〜30%だとされています。

このように、免疫力が十分にあり保菌していても発症していない方に対しては、治療が必須でないこともあります

 

外陰膣カンジダ症の発症と症状

風邪を引いた時や疲れている時、ストレスなどが原因で免疫機能が低下している時に、カンジダ菌が増殖し発症することがあります
また、糖尿病やステロイド使用による免疫低下、抗生物質の使用による常在菌バランスの変化が原因になるケースもあります。

外陰膣カンジダ症の主な症状は、外陰部(陰部の外側のエリア)・腟の強いかゆみです。 その他にも、外陰部や腟のあたりの焼けるような感覚や痛み、排尿時痛、性交時痛、患部の赤みなどがあります。とくに月経前の1週間は症状が悪化することがよくあります。

また外陰膣カンジダ症の特徴として、カッテージチーズ状のおりものが挙げられます。しかし、すべての人に同様の症状が現れるわけではなく、水っぽいおりものがみられることもあります。

 

外陰膣カンジダ症の適切な対処法

治療中は、外陰部を清潔に保つことが重要です。ただし皮膚や粘膜を刺激するような石鹸の使用は避け、通気性の良い下着を着用するのが良いでしょう。

性行為は症状を悪化させたり治癒までの期間を遅らせたりする原因になりますので、完治するまでは避けて局所の安静を優先しましょう。

治療法としては、真菌性の膣錠や軟膏・クリーム、飲み薬などがあります。
治療期間は約1週間です。1週間経っても症状が治まらない場合は、別の原因を考える必要があります。

 

最近はカンジダ膣錠などをドラッグストアで購入できるようになり、自己診断で治療できるようになりました。 しかし、自己診断で市販のカンジダ腟錠を使用しても改善しない場合が多く見受けられます。

その場合は自己診断が誤診している可能性がありますので、気になる症状があればすぐに医療機関に相談しましょう
外陰腟カンジダ症を自己診断したとしても、別の細菌性腟炎や混合性腟炎、トリコモナス腟症だったりすることがあります。この他にも、クラミジア感染症、淋菌性腟炎、マイコプラズマ感染症による類似の症状が出ている可能性もあります。

自己診断で誤診した場合、正しい診断と治療が遅れた結果、時間がかかるうえ無駄な支出をすることになってしまいます。 カンジダなどの感染症を疑うような症状がある時は、なるべく早めに医療機関を受診して適切に対処できるようにしましょう。

 

ひばりクリニックBGCマニラ院では、外陰膣カンジダ症はもちろん、各種婦人科系の疾患への診察が可能です。 お困りの際はお気軽にお問い合わせくださいませ。

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参照

国内でよくみられる侵襲性真菌症~カンジダ症~|NIID 国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-lab/476-bioact/9090-fungi-candidiasis.html

性器カンジダ症|日本性感染症学会
http://jssti.umin.jp/pdf/guideline2008/02-10.pdf