医療コラム

発熱について②

05.05.2026

Mother caring for a child drinking water in bed while recovering from a fever.

前回は、日本の基準では「発熱とは体温が37.5度以上、高熱とは体温が38度以上」という事と「38度がひとつの受診の目安」というお話をしました。ではお子さんが38度以上の発熱があった場合、すぐに病院に行くべきでしょうか。

お子さんが発熱するととても心配です。具体的にどのようなことが心配なのでしょうか。ある統計によれば、親御さんが特に心配されるのは以下の点です。もっとも多かったのは「脱水の心配」が74%、次いで「脳に障害が出る」70%、そして「けいれん」66%という結果でした。お子さんの重症化は可能性が低いという実情を考えると、「脱水症状」をご心配されていることは非常に的確です。ほかにも「脳に障害が出るかもしれない」「けいれんするかも」というこれらのご心配に対しても解説していきたいと思います。

まず、一番多かった「脱水」の心配についてです。これは正しいです。発熱すると体から水分が失われ脱水になるリスクもあり、こまめな水分摂取は必要です。ただ、発熱時はぐったりしていることが多く、あまり水分を取ってくれないのが悩みどころです。ご家族が心配になるのもごもっともです。水分摂取量の目安として、米国小児科学会は、水分が取れない場合、最初の1時間に30 ml、飲めたら次に60 mlというふうに徐々に増やしていくことを勧めています。一度にたくさん取り過ぎると吐くこともあるので、こまめに繰り返し与えることがコツです。水分としては、赤ちゃんは普段の母乳やミルクでよく、食事を取っている子は経口補水液や薄めたリンゴジュース、ゼリーなどでも十分に水分補給となります。もしなかなか水分が取れない場合には、氷のかけらを口に含ませる方法もあります。この際には氷が大きすぎないように注意が必要です。


著者紹介

島田栄治医師/Dr. Eiji Shimada

島田栄治医師/Dr. Eiji Shimada

Oriental Wellcare Group Founder

放射線科専門医。独立系として国内最大規模の遠隔読影サービス会社を経営し、日本全国250以上の病院から月間1万件を超える読影を受注。また、日本における在宅医療のパイオニアとして、国内最大級の在宅医療特化型医療法人を設立・運営した経歴を持つ。

2014年11月に Oriental Wellcare Group を創業。現在はフィリピン、マレーシア、アメリカの3ヶ国で医療機関を幅広く展開。フィリピンをはじめ、海外で暮らす日本人が安心して高度な医療を受けられる環境づくりに尽力している。