合併症はよりどりみどり。 糖尿病予防の習慣が肝心です
07.01.2024 | コラム
これまで2回(①・②)に渡って、糖尿病とはどんな病気なのか、原因・症状、またそのリスクについて扱ってきました。糖尿病は自覚症状なく進行しやすい身近な病気だ、ということがお分かりいただけたかと思います。
今回は糖尿病が深刻化すると発症する可能性が高い合併症についてより詳しく解説し、合わせて予防のための生活習慣についてもご紹介します。
糖尿病が引き起こす合併症
糖尿病が引き起こす合併症としては、例えば以下のような病気が挙げられます。
- 脳梗塞
- 狭心症・心筋梗塞
- 腎障害
- 網膜症
- 認知症
- 神経障害
- 末端動脈疾患・足病変
上記以外にも糖尿病がもたらす合併症は実に様々で、全身に及びます。ここに挙げた病名をみるとどれも重大な病気であることがお解りになると思います。
また、糖尿病による高血糖状態が続くと、細菌やウイルスによる病気にかかりやすくなるうえ、治りにくくなるというリスクもあります。
糖尿病を予防すべき理由
実は糖尿病の治療目的は、先にご紹介したような合併症を予防するためです。合併症のリスクを高める糖尿病を治療・予防することで、合併症のリスクを回避することができるからです。
一度糖尿病になってしまうと、治療や投薬を続けても完治することはありません。
ただ、糖尿病を完治することはできないとはいえ、血糖値が良好にコントロールできればこれらの合併症の危険が遠ざかります。そうすると薬の量を減らしたり、日常生活を快適に送ったりすることが出来ます。
糖尿病予防のために大切な生活習慣
糖尿病予防のために大事なのが、生活習慣です。まだ糖尿病と診断されていない方・糖尿病予備軍と指摘された方も、日常生活を改善することで予防につながります。
まず、日常生活で気を付けたいのは、食事、運動、睡眠です。日本人の糖尿病患者さんの95%といわれる2型糖尿病の主な原因は、仕事でのストレス、運動不足、肥満、外食が多いなどがあげられています。働き盛りの中年代の方に当てはまるものが殆どです。
気を付けたい食事についてですが、お仕事をされている方はお昼はどうしても外食になってしまう方が多いと思います。また、日本のランチとは違い、フィリピンのローカルフードや外食は高カロリーかつ高脂肪のものが多いのでより注意が必要です。
併せて甘い飲み物やデザートも要注意です。糖分を日常的に摂取する生活を送っているのを目の当たりにすると、フィリピンに糖尿病患者が増えているのも納得しますよね。無糖のお茶やお水に変えて、砂糖や糖分の摂取を控えてみましょう。
また、忙しい毎日、どうしても運動する時間が確保できない方は、ゴルフや簡単な散歩でもいいので歩くことを心掛けてください。息がハアハアきれない程度の運動(有酸素運動)を約15分以上行うと、普段運動不足の方でも身体に大きな負担もなく健康的な汗がかけるでしょう。
ちなみに必ずしもランニングなどの運動でなければならないということはありません。カラオケやラジオ体操なども手軽でお勧めです。
定期検査や健康診断で予防しましょう
糖尿予防のためには生活習慣に気をつけるとともに、毎年の健康診断や定期検査を通じて血糖値やコレステロールの値に注意できると良いでしょう。
また、糖尿病や合併症の症状が出ている場合はできるだけ早く医療機関の診察を受け対処する必要があります。
ひばりクリニック マニラ院では糖尿病や合併症の診察も可能です。医師より必要と判断された場合はお薬の処方が可能なほか、検査機関や専門医へのご紹介も行っております。
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参考文献
糖尿病の慢性合併症について知っておきましょう|国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター
https://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/060/020/02.html
糖尿病合併症について|一般社団法人 日本糖尿病学会
http://www.jds.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=3