医療コラム
なぜ摂食障害は治療が難しいの?
04.10.2026

今も昔も、数々のアイドルやアイドルグループがデビューしてきました。スタイル抜群のアイドルを見て、自分ももっと細くならなければと思う人は少なくありません。近年では、SNSのインフルエンサーの影響も関係していることでしょう。
世界では、約1,600万人が摂食障害を抱えていると言われています。しかし、摂食障害の患者さんの中には、必要な治療や支援につながっていない人が少なくありません。摂食障害を発症すると、下記のような症状や行動が見られます。
・食事を拒否する【拒食症】
・一度に大量に食べてしまう【過食症】
・嘔吐や下剤を使用し、摂取したカロリーをなかったことにしようとする行動【排出行動(パージング)】
体重や見た目だけでは判断できず、骨粗鬆症や貧血といった長期的なダメージを受けていることもあります。また、摂食障害は女性の病気というイメージがありますが、男性にも起こることがあります。
摂食障害は環境と心の問題が深く関わっており、患者さんの多くは自己否定の気持ちが強く、完璧主義の思考や容姿への不満が摂食障害につながります。自尊心の発達に大きく影響するため、青年期に特に発症しやすいです。精神疾患の中でも、摂食障害の治療には時間がかかると言われており、身体面と心理面の両方からの支援が必要です。有効な治療法としては、主にカウンセリングや認知行動療法・家族療法です。これらは、摂食障害の背景にある精神的な問題に、患者さん自身が対処するスキルを習得するための会話によるセラピーです。
摂食障害の原因の一つは、「痩せていることが美しい」という文化的理想です。多様性という言葉が広がってきているとは言え、いまだにこの考え方が根付いていることは事実です。一日も早く、さまざまな体型を認め合える社会になることが望まれます。
著者紹介

島田栄治医師/Dr. Eiji Shimada
Oriental Wellcare Group Founder
放射線科専門医。独立系として国内最大規模の遠隔読影サービス会社を経営し、日本全国250以上の病院から月間1万件を超える読影を受注。また、日本における在宅医療のパイオニアとして、国内最大級の在宅医療特化型医療法人を設立・運営した経歴を持つ。
2014年11月に Oriental Wellcare Group を創業。現在はフィリピン、マレーシア、アメリカの3ヶ国で医療機関を幅広く展開。フィリピンをはじめ、海外で暮らす日本人が安心して高度な医療を受けられる環境づくりに尽力している。