医療コラム

カビを放置すると?

13.09.2026

日本でも湿気の多い時期は、カビが繁殖しやすいですよね。一方、高温多湿のフィリピンでは年中カビに悩まされると言えます。

カビは数万種存在します。そのほとんどが無害ですが、人体に有害なカビも。カビが発生する仕組みはとてもシンプルです。空気中には常にカビの胞子が浮遊しており、壁に付着して栄養を吸収し、空気中の水分を利用して増えます。カビが増えると、目には見えないほど小さな胞子を放出し、呼吸のたびに体内に侵入します。健康な人なら問題ないこともありますが、抵抗力が弱い赤ちゃん、高齢者など、免疫力が低下している方は特に注意。カビの胞子の量が増えると、気管支喘息やアトピー性皮膚炎、鼻炎などの症状を悪化させることがあります。

カビは温度・湿度・汚れ・酸素・時間の5条件が揃うと発生しやすいです。カビが発生しやすい場所は、収納スペースや水回り、エアコンの内部などです。カビ対策としては、湿気対策が何より重要です。カビ菌は湿度が60%以下になると、ほとんど活動できません。短時間でも窓を開けたり、換気扇を活用したりしましょう。窓を開けるのが難しい場合は、除湿機やエアコンのドライ機能も有効です。

ほこりや繊維などはカビの栄養になるため、こまめな掃除も効果的です。また、家具を配置する際に、壁との間に数センチ空間を作ると、空気が流れ、結露やカビを防ぎやすくなります。そして、意外と注意したいのが、観葉植物や室内干しです。植物の土や洗濯物から水分が蒸発し、部屋の湿度が上がることがあります。換気や除湿を組み合わせると安心です。

見つけたら掃除すればいいと思われがちなカビですが、健康を守るためには、カビが生えてから対処するのではなく、生えにくい環境を作ることが重要です。ちょっとした湿気対策で、快適で健康な住まいを守りましょう!


著者紹介

島田栄治医師/Dr. Eiji Shimada

島田栄治医師/Dr. Eiji Shimada

Oriental Wellcare Group Founder

放射線科専門医。独立系として国内最大規模の遠隔読影サービス会社を経営し、日本全国250以上の病院から月間1万件を超える読影を受注。また、日本における在宅医療のパイオニアとして、国内最大級の在宅医療特化型医療法人を設立・運営した経歴を持つ。

2014年11月に Oriental Wellcare Group を創業。現在はフィリピン、マレーシア、アメリカの3ヶ国で医療機関を幅広く展開。フィリピンをはじめ、海外で暮らす日本人が安心して高度な医療を受けられる環境づくりに尽力している。