医療コラム
『共感』が芽生えるのは何歳から?
02.08.2026

『共感』とは、他人の気持ちを理解し共有する能力であり、社会的な絆を築くために必要不可欠なものです。では、私達は生まれつきこの能力を持っているのでしょうか?
心理学の研究によると、私達は早い段階で最初の共感の兆候を示し始めます。乳児は、生まれたばかりの頃から他の赤ちゃんの泣き声を聞くと一緒に泣き出す(感情伝染)ことがあり、生後6ヶ月頃になると他人の表情を真似するような行動も見せ始めます。この初期段階は感情伝染と呼ばれ、他人の感情を感じても完全には理解できていないそうです。
2歳前後になると、共感的な関心を示す兆候をより多く見せ始めます。例えば、困っている子におもちゃを差し出したり、泣いている子を慰めようとします。この時期は、共感の基礎、つまり他人の感情を認識し助けたいと思うことが顕著になります。
そして、就学前になると共感は更に深まります。人には様々な考え方や感情があると理解し始め、誰かを傷付けた時には謝ったり、自分の行動が他人にどのような影響を与えるかを気付いたり、思いやりを示す行動をするようになります。
その後、6~12歳までに認知的共感を発達させます。これは、他人の視点や感情を理解したり、社会的状況で自分の感情を上手くコントロールできるようになることです。思春期になると、社会的状況において共感を理解し表現する能力に磨きをかけます。そして、社会問題や身近なコミュニティ以外の人々と共感する方法を意識します。
人間は社会的な生物のため、相手との信頼関係を構築するのに共感は重要な要素として機能しています。私達は自分自身が意識するよりも前から共感を持ち、年齢と共に洗練され、幼少期と青年期には更に発達したレベルへ成長していくようですね。
著者紹介

島田栄治医師/Dr. Eiji Shimada
Oriental Wellcare Group Founder
放射線科専門医。独立系として国内最大規模の遠隔読影サービス会社を経営し、日本全国250以上の病院から月間1万件を超える読影を受注。また、日本における在宅医療のパイオニアとして、国内最大級の在宅医療特化型医療法人を設立・運営した経歴を持つ。
2014年11月に Oriental Wellcare Group を創業。現在はフィリピン、マレーシア、アメリカの3ヶ国で医療機関を幅広く展開。フィリピンをはじめ、海外で暮らす日本人が安心して高度な医療を受けられる環境づくりに尽力している。