医療コラム

水分補給ってどのくらい?

08.11.2026

水は私たちの体に最も多く含まれる物質で、生命活動をサポートしています。成人の体の約50~60%を占めています。脳や腸、腎臓、筋肉、肝臓などの臓器や組織は、約80%が水分でできています。一方、脂肪組織は水分量が約30%程度と少ないため、一般的に体脂肪率が高い人ほど、体内の水分割合は低くなる傾向があります。

体内の水分は、栄養素や酸素を全身へ運んだり、体温を調節したり、老廃物を排出したりするなど、さまざまな働きを担っています。そのため、水分不足は体の機能に大きな影響を与えます。

では、1日にどれくらいの水分を摂ればよいのでしょうか? 以前は、1日コップ8杯の水を飲むことが目安とされていました。しかし、必要な水の量は個人や、活動量、住んでいる場所の気候、水以外の飲み物や、果物や野菜といった食品から摂取する量によって変わります。アメリカ医学研究所(IOM)は、19歳以上の男性に対して少なくとも1日3.7リットル(約15.6杯)、19歳以上の女性に対して2.7リットル(約11.4杯) の総水分摂取量(飲み物と食事に含まれる水分の合計)を推奨しています。

ちなみに、食事がなくても、水分を確保できれば一定期間生きることができます。しかし、水が1滴も飲めないと、3~4日で生命維持が困難な状態となります。体内の水分が全体の1%失われるだけで、のどの渇きを感じます。2%失われると、めまいや吐き気、食欲減退などの症状が現れます。さらに、10~12%失われると筋けいれんや失神を起こし、20%失われると生命の危機にもつながります。

のどが渇いたと感じたときには、すでに軽い脱水状態になっていることがあります。そのため、のどの渇きを感じる前から、少量ずつこまめに水分を摂るのが大切です。日頃から水分補給を意識することが、脱水予防だけでなく、毎日を健やかに過ごすことにもつながります。


著者紹介

島田栄治医師/Dr. Eiji Shimada

島田栄治医師/Dr. Eiji Shimada

Oriental Wellcare Group Founder

放射線科専門医。独立系として国内最大規模の遠隔読影サービス会社を経営し、日本全国250以上の病院から月間1万件を超える読影を受注。また、日本における在宅医療のパイオニアとして、国内最大級の在宅医療特化型医療法人を設立・運営した経歴を持つ。

2014年11月に Oriental Wellcare Group を創業。現在はフィリピン、マレーシア、アメリカの3ヶ国で医療機関を幅広く展開。フィリピンをはじめ、海外で暮らす日本人が安心して高度な医療を受けられる環境づくりに尽力している。