医療コラム

落書きで集中力アップ!

14.06.2026

会議中や勉強中に、つい目の前の紙にとりとめのない落書きをしてしまうこと、皆さんも経験したことがあるかもしれません。アメリカ大統領のジョン・F・ケネディでさえ、キューバ危機中にドミノの落書きしていました。以前は落書きは気が散っていることのサインと考えられていましたが、最近の研究により落書きはむしろ注意力の強い味方かもしれないことが示されたのです。

心理学者のジャッキー・アンドラーデは、40人の被験者に2分半の退屈なボイスメールのメッセージを聞くよう依頼しました。もちろん、この音声を聞いた後に記憶力のテストを行うことは知らされていません。このうち半分の被験者は、落書き(図形を塗りつぶす)しながらメッセージを聴き、もう半分の被験者は何もせずにいました。その結果、落書きをしたグループの方が29%も多く情報を思い出したのです。また、ギリヤ・カイマルという教育学博士らは、被験者の落書き中と休憩中の脳の血流を研究しました。その結果、休憩中よりも落書き中の方が明らかに脳の血流が活発になっていたのです。さらに、実験の前後に行ったアンケートでは、問題解決能力や発想力が豊かになったと感じる被験者が多かったのです。

研究者曰く、落書きは脳の内側側頭葉にある扁桃体を落ち着かせるのに役立ち、また、ストレスを軽減し、コルチゾール(ストレスホルモン)のレベルを下げる効果があるため、集中力が高まります。この落書きは、必ずしも絵を書いたり図形を塗りつぶしたりする必要はありません。片手で紙にぐるぐると線を書くだけでも効果はあるそうです。英単語の暗記など単純な作業をする時には、一度試してみたいですね。もちろん、落書きの方に集中し過ぎないよう、気をつけましょうね!


著者紹介

島田栄治医師/Dr. Eiji Shimada

島田栄治医師/Dr. Eiji Shimada

Oriental Wellcare Group Founder

放射線科専門医。独立系として国内最大規模の遠隔読影サービス会社を経営し、日本全国250以上の病院から月間1万件を超える読影を受注。また、日本における在宅医療のパイオニアとして、国内最大級の在宅医療特化型医療法人を設立・運営した経歴を持つ。

2014年11月に Oriental Wellcare Group を創業。現在はフィリピン、マレーシア、アメリカの3ヶ国で医療機関を幅広く展開。フィリピンをはじめ、海外で暮らす日本人が安心して高度な医療を受けられる環境づくりに尽力している。